日々台湾。時々、猫

現在、ワーホリで台湾在住。台湾のこと、グルメ、旅行、猫、日々の雑感など。

台北の映画館で「メリー・ポピンズ リターンズ」を観てきた その②

どうも。今回の旧正月期間はシンガポール・マレーシア間バス移動の旅を敢行しておりました。

あまりに観光地を欲張りすぎたため、その移動距離は尋常じゃないレベルで果てしないことに。バスでの国境超えはもちろんですが、炎天下のなか徒歩で歩き回ったのがなかなか堪えました。多大なる疲労。

ついにはOPPO(スマホ)の万歩計機能もイカれ、ある日なぞ徒歩で89キロ移動していたことになってました。

んな訳あるかい。

共にシンガポールへ強行した友人Yは旅行終盤あえなく撃沈。
日本に帰ってからも風邪&腹痛に苦しんだそうです。

産後間もない人間に無体を強いた人非人とはワタシのことダァ〜!

ゴメンネ。

とまぁ、反省点の多い今回の旅行記は後日掲載いたします。
今回は引き続き映画「メリー・ポピンズ リターンズ」の感想です。

前回記事紹介


前回の更新では、台北の映画館事情についてつらつらと書きました。
料金も安いし英語が通じるスタッフもたくさんいるし、海外で映画館体験をしてみては?という内容。



え?
中国語も出来ないし英語も話せないヤツはどうすりゃいいのって?

考えるんじゃない。感じるんだ。

今回のワタシの「メリー・ポピンズ リターンズ」鑑賞のように。

案の定こちらの映画、内容は殆ど理解していない。メリー・ポピンズが魔法使いだってことくらいは分かりました。あとは勘を働かせて、前作「メリー・ポピンズ」で幼い兄妹だった二人が大人になっているってことくらいは分かりました。

多分、あの時セブンセンシズくらい目覚めてましたね。






字幕鑑賞にあたって〜中国語の人名について〜


まず、中国語字幕で洋画を観るならこれだけは知っておかないと、ってやつがあります。
それが外来語の変換です。

日本にはカタカナという超絶便利なアイテムがありますので、外来語はそのまま使うことが出来ます。

「結果にコミット」しますし、「計画にはアサイン」しますね。

ヒュ〜意識高ェ〜

まぁ、その弊害として「カタカナ英語」なんて言われちゃったりもしますが。日本語はモーラ音節なので英語とはそもそも発声の感覚が異なるんですよね。

だから英語は難しいんだよ、という言い訳。

で、ここから中国語の話です。
中国語には日本語のように好都合なアイテムはありません。
なので、基本的には漢字を使って外来語を表します。
日本語的感覚だと「テキスト」と言わず「文書」と表現するようなものです。

意識高い中国人は、どうやってその意識の高さを表現しているんでしょうね。

どうしても漢語的表記に置き換えられない外来語は、基本的にはそのままローマ字ですね。漢字が並んでいるなかで唐突にローマ字が出てくるので、日本人としては戸惑います。


这个意思是火箭(この意味はロケットです)


这个意思是Rocket(この意味はロケットです)


こんな感じ。
なるほどフーン。


ですが、上手いこと当てはめられない固有名詞はどうなるんでしょうか。
端的に言えば人名のことです。
まさかミッキーマ○スをミキクチと言うわけにもいくまい。

そんなの戦前の日本じゃアルマジロ…。

さすがにそんなことしてしまったら別物になってしまいます。マイケルだから我蹴とか、そういうしょーもない発想はそもそも日本的ですしね。マイケルが太郎とかになったりもしません。

と、言う訳でどうしようもない外来語の固有名詞は、意味を考えつつムリヤリ漢字当てはめることになります。


上記のマイケルは、迈克尔または麥可
ハリーポッターは、哈利波特
ミッキーマ○スは、米老鼠

など。

上手いこと当てはめてはいますが、日本人的な感覚だと英語にまつわる軽快さというか、カタカナで表現出来るような利便性、ニュアンスの差異が無くなってしまい何だかモヤモヤ〜っとしてしまいますよね。
まぁ中国語が母国語の人からしたら「ひらがなカタカナ漢字なんて3つも使ってる方がめんどくさいしわけ分からん」って感じでしょうが。

この固有名詞の変換についてもう一つ。
テレビを観ていて気付いたんですけど、「ハリーポッターシリーズ」にスネイプ教授という人物が出てきます。
何か年甲斐もなく主人公をいじめる先生なんですけど、結局のところは愛憎半ばの思いをハリーポッターに抱いていたという本当は良い奴だった……良い奴?良い奴かアイツ?いやよく分からんけど、そういう陰険おじさんがスネイプ教授という人です。

その彼、中国語で表記されると石内教授になります。

石内教授です。

いしうち教授なんです。

ちょっと面白過ぎて話が頭に入ってきませんでした。

だってあんな顔して石内ですよ。日本人じゃん。何ならワタシが小学5年生の時の体育教師の名前ですよ石内って。

何なん?ワタシホグワーツ通ってたんですか?初耳。

これ、別に翻訳者が「何かこのスネイプって人、オレの親戚の石内に似てるな…。名前石内でいいや」って決めた訳ではありません。
中国語にはピンインという発音がありますので、そちらだと石内の発音は「スーネイ」になります。

なるほど納得。確かにスネイプ教授だ。

でも「プ」はどこへ消えた?


閑話休題。


石内教授の話はもういいんですよ。

つまり以上のような事情がありまして、中国語字幕で洋画を観ると、まずどれが人名なのか把握することが大変な苦労になります。

よって映画内容の理解速度が尋常じゃなく落ちます。
人名を探しているうちに字幕が終わる。





繁体字字幕で見た「メリー・ポピンズ リターンズ」感想


気を取り直してストーリーを見ていきます。
あまりネタバレはしないようにしていきますが、そもそもディズニーのミュージカル映画でネタバレもクソもないです。

何なら話始まって20分くらいでオチまで読めますからね。

チンプンカンプン字幕でこれですから、いわんや日本語をや。

なのでまぁ、今回は映画「シックスセンス」を語る時くらいネタバレに配慮しておりません。


まず冒頭、

煙突掃除屋がガス灯掃除屋になってる…。

掃除っていうか、ガス灯に火を付ける人。
「そういう職業あったんだ〜。フ〜ン」くらいの認識。舞台は大恐慌時代のロンドンですからね。イタリアではアル・カポネかブイブイ言わせてたくらいの時ですか?よう知らんけど。

つまりチムチム言わない。

今回の映画、楽曲はどれも素晴らしかったですが特段耳に残るというものは無かったです。

近年のミュージカル映画だと「グレイテスト・ショーマン」とかは殆どの作中曲が印象に残るほど素晴らしい曲ばかりでしたが、あのレベルの楽曲を求めるのは欲張りですかね。
うーむ。


この「メリー・ポピンズ リターンズ」、あらすじを簡潔に説明するなら親子の物語に焦点を当てた「ピーターパン2」。

どっちもディズニーやん。
まぁそうなるわな。

主人公はメリー・ポピンズですが、話のメイン人物は子どもたち三人。
前作でメインだった兄妹のうち、兄の方の実子です。母親は他界しています。メリー・ポピンズに母親代行をさせるには母親そのものを不在にするか、子どもに悪影響を与えるようなマイナス存在の母にするしかないのでまぁそうなるわな。(パート2)

前作は、仕事人間の両親の元でなかなか親の愛情を得られなかったという設定でしたっけ。
話自体は新旧どちらも問題発生→メリー・ポピンズの出番→問題解決→メリー・ポピンズ退場ですから、単純な内容です。

単純だと言ってもセリフはあまり理解出来ていない。
案の定登場人物の名前が分かっていません。
唯一、子どもたちの叔母に当たるジェーンだけは分かりました。

なんせ中国語字幕だと珍さんなので。

読みは「ジェン」ですので、うん。まぁ。

でも「珍さん」が気になってイマイチ話に集中出来ない……。





幻想からの脱却かと思いきや


作中中盤から終盤にかけて、明らかにメリー・ポピンズが使う魔法が減ってきます。
子どもたちが割った壺直す直すおばさん(メリル・ストリープ)の工房?から帰宅するあたりとかから、露骨に魔法描写がなくなる。

ガス灯掃除屋さんたちのパフォーマンスの下りとかあからさま過ぎましたね。
魔法だけじゃなく、人間の力(身体能力とか)で魅せることも出来るんだぞみたいなことを表現したかったのでしょうか。

ですが、今までさんざんCGを駆使した映像美を見せられているので今更感がすごい。

あと何の力が働いてるのか知らないですけどパフォーマンスの下りが冗長過ぎてダレてました。

このシーンについては酷評しまくってますけど、言うてもディズニーのミュージカル映画なので細かいこと気にしなければとても面白いです。

はい。

そして終盤、メリー・ポピンズの助けもありつつ何とか問題をクリア。家族は思い出の詰まった家を引き払うことなく、引っ越しを免れました。

ラストシーンではなんか皆が空に浮いてます。


ワタシ最初、お恥ずかしながら子どもは魔法を信じているから魔法を見ることが出来て、大人は信じられなくなったから魔法が効かない的なものだと思っていたんですよ。

実際、物語の最初の方で子どもたちの父親か魔法を否定する発言をしている背後で、メリー・ポピンズがスーッと気付かれずに魔法を使う描写がありましたから。
魔法を信じていない彼には、見えないもの。

でもお前、一作目でメリー・ポピンズと一緒にチムチム言ってたよな?


まぁ単純に子ども対大人の対比でないことは明らかなんですよ。
大人が魔法を否定する存在なら、ガス灯掃除屋さん(メリー・ポピンズの男友達)の存在がおかしなことになりますからね。
散々メリー・ポピンズとツーカーやっておいて、結局ジェーンと結ばれるこの男。

今回恋愛描写はオマケ程度にしかないです。

ですが今回の話、別に大人たちは魔法を最後まで目にすることがなくてもいいわけなんですよね。
ラストシーンは魔法の力を(傍目には)借りることなく問題の解決に至っていますから。

そういうことなので、最初にこのラストシーンを見た時は若干違和感で首をかしげました。
映画の序盤でメリー・ポピンズの魔法を否定していた父親も、ジェーンも、敵役として出ていた弁護士二人組も、みんながみんなプカプカと空に浮いてニコニコしてますから。

もうハッピー過ぎて頭おかしくなる。

ラストシーンで街の住民全員死んだのかと思ったくらい。
死後の描写かと思ったわ。

何でしょうかね。
50年前、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス言ってたかつての子どもたちへのサービスシーンかな。

まぁ無くてもいいじゃんという気持ちには変わりありません。





総括


細かいことを抜きにすれば、頭空っぽ字幕読めない人間でも充分楽しめました。

200元くらいならもう一度見てもいいかなーってくらい。
アニメーションと実写の融合しているシーンとか、バスルームの海を泳ぐシーンとか、CGは幻想的でキレイでしたからね。

大人も子どもも楽しめる映画でした。

余談ですけど、今年のディズニー映画つてダンボもやるんですか?

リバイバルの波が押し寄せているんですかね?



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